寄稿ー岩田雅予さん

image   長女が今春大学生になった。彼女がまだ生まれる前からのことだから、 もう 20年くらい前のことだ。 あき子さん、酒井田節子さんと共にホスピスや老人 施設を訪問させて頂いていた。 季節の花を携え、お茶とお菓子を用意した手作 りのお茶の時間。 入院患者さんとその家族の方、ドクターを始め職員の方々と 共に時を過ごした。 野の花と共に季節を運び、あき子さんが季節の行事をさりげなく演出した食卓を、 心から喜んで下さった。 私はただ傍で、彼女たちの志 に圧倒されていただけだったように思う。 しかし、心の美しさと強さが人への 優しさの源であるということを学んだ。 そして何よりもその眼差しに宿る、花 鳥風月と共に息づいてきた 日本人の美意識と出会う時間でもあった。 有田の地 で、伝統と格式を重んじながら今を生きている彼女たちは、 とても美しく堂々 としていた。何故彼女たちが、 私をチームの一員として選んでくれたのか不思 議な気がする。 今となっては鬼籍に入られた節子さんの声が懐かしい。 感情を ストレートに表現してしまう幼稚な私の言葉に、よく笑って下さった。 あき子 さんは、ちょっと困った表情で、「雅予さんったら・・・」と言ってふき出した。 本当に3人でよく笑った。 日本人の DNA に組み込まれた美意識が時代の流れの中に埋もれている。 生活が いくら欧米化しようとも、五感には日本人の美意識がまぎれもなく生きている。 あき子さんから、幾度となく美しさとは何かを問うチャンスをいただいた。 こころの美がおこないを美しくさせ、美しいものを見極める目を養ってくれる のだと 気づかせてもらった。彼女の確かな目で求めて行く日本の美。 彼女のこ ころが選ぶ美が美しくないはずがない。 私達が忘れかけている美しい日本の伝 統やしつらえ、行事。 あき子さんのこころがとらえた蘇る日本の美がその中で 息づいている。 生き方が美しい、彼女はそういう人だ。 イワタマサヨ   ◼雅予さんはすばらしいメッセージをブログで語られています。 ーブログ  森から学ぶ子育てーhttp://blog.livedoor.jp/pianoflower/ facebook   岩田雅予