陶匠の天眼鏡(有田焼ルーペ)

商品開発プロジェクト
一隅を照らす 陶匠の天眼鏡
loupe
有田焼ルーペ
よみがえる日本の美
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Greeting
ごあいさつ
一隅を照らす陶匠の天眼鏡
「肥前の精美を世界へ」と明治初期に殖産興業の花型製品として謳われた有田焼。 世界に通用する有田焼の真骨頂は、人工の限りを尽くした様式美にこそ見出せるものです。 現在、有田焼の中でも、数少ない陶画の世界で活躍されている陶匠が葉山有樹先生です。 精巧緻密な運筆、多彩な色遣いは伝統を踏まえながらも、詩画一致の背景や精神性を織り込んだ様式美は独自の境地であり、新古典主義とも呼ぶべきものです。 歳月をかけて鍛え抜かれた技は磁器の世界でこそ花開きます。 僥倖の賜物とは違う作者の魂魄躍動する鼓動が響いてくるかのようです。 この度、葉山先生の図案製作並びに作陶による磁器製天眼鏡=ルーペが完成しました。 100年の歴史を有するドイツの精密光学機器メーカーであるエッシェンバッハ製レンズを陶磁器にはめ込んだ天眼鏡ことルーペの完成は、独自の世界観を抱き、困難に果敢に挑む稀有な陶匠・葉山有樹先生の存在なくしてはあり得ませんでした。 すでに国際陶芸家として地歩を固められてはいますが、私どもはこのような「一隅を照らす」陶匠を平成の「肥前の精美」として誇りに思うものです。 総合プロデューサー 蒲地 孝典
designer 葉山有樹 現代ほど成熟した知性が求められる時代はありません。 知性は学習に由来するもので、孔子の言う「学んで時にこれを習う、又楽しからずや」という学ぶ、つまり書物を読む事から始まります。この度の、ルーペの意匠には古代の神話や、先人達の詩情を文様にした陶磁器の柄をもつルーペとして図案しました。 1961年生まれ。陶芸家。 1975年生まれ育った佐賀県有田町の窯元に入社。1985年佐賀県山内町に開窯。 これまでに、福岡全日空ホテル(1990年 福岡)、東京アメリカンクラブ(1991年東京)、o.a.g東京ドイツ文化センター(1998年 東京)、スパイラルガーデン(2007年 東京)、デザインミュージアム(2007年 フィンランド)、横浜山手西洋館(イギリス館)にて日仏150周年「花と器のハーモニー展」(2008年 横浜)などで個展を開催。イッタラ社アラビア窯アート部門にて滞在制作(2007~2008年フィンランド ヘルシンキ)。著書に『細密画の世界 千年の華 葉山有樹作品集』(2002年 私家本)、『詩想の旋律 葉山有樹作品集』(2005年 新日本教育図書)、『葉山有樹作品集 a pattern odyssey 文様をめぐる450万年の旅』(2007年風濤社)、『小説「神話の波紋-玻璃と剣-」』(2008年 風濤社)、『絵本「魚になった少女」』(2008年 風濤社)がある。
葉山有樹  hayamalog
brand story エッシェンバッハ エッシェンバッハ光学は1913年、ドイツ・バイエルン州ニュルンベルク市に、ヨゼフ・エッシェンバッハが創設した会社です。 一世紀近くの歩みの中で培われた光学製品へのこだわりは、テクノロジーの発達とともに常に先を行く製品開発と品質改革をモットーに邁進し続けています。 その斬新かつ高度な技術を駆使し開発される商品は他の追随を許さず、世界的企業であるのみならず業界のリーダーとしても揺ぎ無いポジションを確保しています。 ドイツ本社は、看板商品のルーペを基軸とするヴィジョンテクノロジー事業と、近年eu圏でリーダーの地位に上り詰め目覚しい成果を収めるメガネフレーム事業の2本柱で強固な基盤を作っています。 中でもルーペのニーズは、視力疾患対象のみならず視力補助の重要性の中において見直されています。高齢化社会に向かう日本や世界の先進国ではますますルーペのニーズが強まる中、使用者の声としての必然性もさることながら優美性や高級感は要求が高まる一方であり、それに応えるのも開発者としての責任であります。 このたびの“陶匠の天眼鏡”はまさにこの要求に応えるものであり、さらに工芸品としての高い価値をあわせ、使用する方に無類の喜びを与える作品です。 ルーペとしてまた観賞用として多くの方にこの喜びを分かち与えたく心より願うものです。 株式会社 エッシェンバッハ光学ジャパン 代表取締役 古賀 トミオ
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よみがえる日本の美

私共は歴史と伝統に育まれた有田焼の工芸美を後世に継承すべく、その世界の更なる発掘と再生に取り組んでいます。 有田焼は総合芸術です。とりわけ、陶画の技術は肥前の精美と謳われただけに、繊細でかつ多彩な染付あるいは色絵付が、古典的な様式美とともに新たな創作的活動が大胆に展開されることを望むものです。そのためには改めて、古典を考察して後に独自の世界を求めていく、歳月をかけた取り組みにあえて挑戦していくべきと考えます。 この世界には近道も王道もありません。個人の限界をわきまえて、高度な分業体制の再構築こそが復活の道であり、私共の存在もその軌道にあります。 知られざる幻の明治伊万里の探求もその一環であり、その復刻事業は若手の技術者の養成を促したと自負しています。また、今回のドイツのエッシェンバッハ製のレンズと磁器の異業種交流も、新たな生活文化の創造の一端に小さな波紋を投げかけることになれば、製作者の意図も半ば達成されるというものでしょう。 今後とも、微力ながら標題に掲げる「よみがえる日本の美」の総合企画を通じて、有田焼の発展に貢献していく所存です。 ◇企画・制作・販売有限会社 東西古今 〒844-0002 佐賀県西松浦郡有田町中樽3-8-22 tel?0955-43-3183 メール info@touzaikokon.jp loupe
経済産業省認定品
image ー制作発表記者会見ー海外特派員クラブにて 東京 エッシェンバッハ日本支社長古賀トミオ氏 葉山有樹 氏 蒲地孝典 image 展示演出 前谷裕一氏 有田焼ルーペ『陶匠の天眼鏡』誕生に寄せて。。。 『よみがえる日本の美』商品開発プロジェクト第一弾。。 いや実際は二弾目です。 一弾目は大手某携帯会社での有田焼デザインによる開発でした。 想いを綴った手紙を東京本社に送付。 しばらくしてお話を伺いたいとのことで た担当の方々が来社されました。 しかし開発の途中残念ながら断念せざるをえなくなりました。 そして同時企画進行していた企画 『陶匠の天眼鏡』開発。 20数年前 私は子育て真っ最中の時ある病になりました。 その病を見つけていただき病院を紹介してもらっっていなかったら もしかしたら今の私はこの世に存在しないかもしれません。 その頃 有田其泉荘で開催された企画展の お手伝いをした時 夕刻誰もいない展示室に入っていきました。 そこには『葉山有樹の世界』が展示されています。